強迫性障害

強迫性障害とは

強迫性障害(OCD)とは強迫観念と強迫行為に特徴的づけられる精神障害です。

強迫観念と強迫行為

強迫観念とは、繰り返される持続的な衝動、思考、イメージのかたちをとり、強い苦痛の原因となります。強迫行為とは、強迫観念によって高まる不安、衝動、懸念を打ち消したり、恐れている状況や出来事が現実のものとなることを避けようとしたりするためにとられる行動のことで、頭の中でなされることもあります。

強迫性障害の治療法について

強迫性障害には薬物療法が有効です。ある種の抗うつ薬が症状を軽減することが示されており、わが国でも保険適応となっています。また、認知行動療法も同様に有効であることが示されています。薬物療法の長所は薬を飲むだけとある意味においては手軽であることと、使用される抗うつ薬の多くにジェネリックが存在することもあり治療のコストが比較的安いことがあげられ、短所としては、副作用が出現することがあること、薬物療法を中止すると症状が再燃・再発するリスクが比較的高いことなどがあげられます。認知行動療法の長所は、患者さんが自身の治療家になるスキルを身につけることができ、ゆえに再燃・再発時にも自身で対処が可能であるということです。短所としては、自身の不安・衝動に向き合う作業が必要なため治療に苦痛を伴うことが多いという点と、治療のコストが比較的高いというところなどです。当クリニックでは、患者さんの状態や意向に応じて、適切な治療の進め方を提案させていただきます。

強迫性障害の心理療法について

一般的に特定の精神障害において、心理療法の効果に優劣をつけることは難しいことが多いです。たとえばうつ病においては、主要な心理療法間に明確な効果の差は認められていません。一方で、強迫性障害においては、様々な研究を参考にしても、当院院長の臨床経験からみても、ほとんどの場合、認知行動療法がまっさきに考慮される心理療法となるでしょう。具体的にどのような治療であるのかについても、診察時に詳しく説明させていただきます。